予算委員会アメリカ視察(2017年7月25日配信)

■■■   予算委員会アメリカ視察   ■■■

 衆議院予算委員会でアメリカのニューヨークとワシントンDCを訪問しました。目的は、トランプ大統領就任後の状況に関するアメリカ各界要人との意見交換です。
 休日を挟まないよう日曜日発・着の日程で、昼食や夕食時も大使をはじめ大使館関係者や現地駐在の各界の方々と意見交換を行うなど「外遊」という言葉と程遠いハードな視察でした。
 以下、聴取した意見を簡略にまとめました。

(トランプ政権)
・公約は「戦略的ではなく、マーケティング」すなわち、思いをどう実現するかでなく、何が有権者の支持を得られるかで決定されたと思われる。また政権の準備が足りず政治任用ポストが未だ70%決まっていないなど、どのように進むか不透明。
・来年11月の中間選挙に向けて、議員や候補者が態度を明確化しはじめる来年から、風当たりが厳しくなってくるのではないか。一方で経済界は、景気が好調のため不満はなく、従来の支援者にも大きな変化はない。

(日米関係・安倍総理への評価)
・世論調査で日米関係は良好、特に日本企業関係の仕事や交流経験のある人々が積極的に支持。
・安倍総理には今後の日米での取り組みや国際政治での活躍が期待されているとともに
「民主主義の価値を守る」との新しい評価もなされている。
・一般的に、プラグマティックで日本にとって良いリーダーである。また、戦後70年演説や韓国大統領(朴大統領)との関係など難しい課題を良くやってきた。
・トランプ大統領との関係は、アジアの安定にとって重要である。
・メルケル首相とともに、さまざまな課題に安定的に取り組んでいる。

(エネルギー・パリ協定)
・シェール革命による増産でエネルギーの支配力を強めOPECを牽制しようとしている。
・パリ協定から離脱しても天然ガスを増やすことでCO2排出は抑制と主張しているが、
アメリカは信用を失いG20で孤立。また環境規制の撤廃は国民の支持を得られない。
・パリ協定離脱は、実際の離脱まで3年あるので、何とか決定を覆したい。
・政権内部にも意見の相違があり、企業も引き続き削減に努めると表明している。さらに地方自治体なども削減に努める点についてほとんど変更はない。
・さまざまな活動の継続がトランプ大統領の翻意につながることを期待。

(北朝鮮対策)
・北朝鮮に抑留されていた学生の死亡、ICBMと核の開発状況から軍事的行動の可能性はある。たとえば、時期や場所を事前通告した上での制限的な攻撃などが考えられる。
・すべてのオプションがテーブルにあるが、軍事オプションは解決にならない。
・金政権の打倒が目的ではない。
・中国は、国際的プレッシャーの中でやっているが限界があり、北朝鮮は影響を受けない。また、半島の安定化を願っており強い動きに出ない。
・韓国は、従来とは異なるが、日米韓の結束を重視しており、中国による制裁は誤り。
・ロシアは、力を持っており、北朝鮮を使って日本やアメリカとの関係を良くしたいと考えているのではないか。安倍・プーチン関係は重要だ。

(TPPについて)
・TPPには、デジタルや知的財産など新しいルールが含まれている。しかし、大統領選では双方がネガティブだった。両党ともに特徴を出そうとしている。
・NAFTA再交渉では、TPPを研究し双方のコア部分を融合させることが可能と考える。それを前例として、二国間で協定を結ぶことができる。※帰国後の報道では、NAFTA再交渉で関税引き下げはテーマになっていないとのこと。
・日本・EU合意は、アメリカへの圧力になる。

(IMFの世界経済見通し)
・世界経済の見通しは、16年の中頃以降回復している。さらに17年は3.5%、18年は
3.6%成長の見通し。
・総体的に、欧米は回復基調でアジアは成長基調。一方、中東、アフリカのサハラ以南に課題がある。
・日本も回復基調だが、原油価格下落や財政支援などの影響が大きい。注意点は人口動態や投資の低さなど。さらに長期的には債務残高、少子高齢化に明確なプランが必要。

(雑感)
・ニューヨーク・ワシントンともに圧倒的に日本車が多く、アメリカ車は非常に少なかった。日本車は燃費性能とともに中古市場で値崩れしないというのも理由の一つのようだ。
・道路状況が劣悪で、インフラの老朽化が進んでいることを実感。トランプ大統領が公共事業を公約にしたことが納得できた。