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イラク・北朝鮮問題について (2003年2月28日配信)

■■■  イラク・北朝鮮問題について  ■■■

イラクは1991年に湾岸戦争の停戦をするため、国連安保理決議687を正式に受諾し、以後その法的拘束力のもとにありました。決議687は化学兵器、生物兵器、弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の廃棄を国際的監視のもとで無条件に受け入れることを義務付け、そのための実地査察に合意することとされています。今回のイラク問題の発端はイラクがこの安保理決議に違反している事が問題になっています。

2002年11月に国連安保理で全会一致で採択された決議1441では安保理決議によって規定された軍備解体プロセスを完全かつ検証された形で完了させることを目的としており、イラクに対し関連決議の下での武装解除の義務を遵守する最後の機会を与えたものです。

ここまでは、安保理は一致して決議を行っています。ただこの決議を受けて、現在査察が核兵器と生物化学兵器とにわけて行われていますが、その進行状況の評価が米英と仏独露でわかれています。そのため、2/24には米英による決議案が出され、一方、仏独露によって覚書が出されました。両陣営は、イラクが大量破壊兵器を破棄すべきであるとの点では一致していますが、これにイラクが協力的でないとする米英と少しづつではあるが前進しているから、もう少し時間を与えて査察を継続しようという仏独露とに意見がわかれているのです。

このような背景の下で、日本政府は当初からイラクに対して、安保理の決議に従うよう勧告し、平和的に解決するべきであると、国際的な協調の枠組みの中で意見を表明してきました。私も政府の平和的解決が最善との姿勢を支持したいと思います。ただ2月26日の報道では、イラク側が新たに生物化学兵器についての資料を出したとのことです。このことから見ても、イラク側が、すでに持っていた大量破壊兵器等の廃棄について、積極的に十分な説明責任を果たしてきたとは言えないのは残念なことであります。

一刻も早く、イラク側は国連決議に従うべきであります。イラク側の協力を含めた査察継続の有効性を考えたとき、3月7日の報告までという時間を区切って、対応することはやむを得ないと思います。

そしてもし武力行使という事態に陥った場合、日本には法律がないので後方支援は出来ませんが、人道上や復興支援という方向を考えるべきであると思います。

一方、日本にはより差し迫った危機として、北朝鮮問題があります。

昨年9月17日の小泉首相訪朝による「日朝平壌宣言」以降、北朝鮮の核開発問題で状況は大きく変化しました。その後、KEDOによる重油供給凍結決定、北朝鮮による核関連施設再稼動通告など緊迫の度を加えていますが、そういう中で射程60km程度とはいえ、地対艦ミサイルが発射されました。先日の自民党政務調査会防衛部会での説明では、北朝鮮では少なくとも百基のミサイルが配備され、今の状況では、すべて日本に照準を合わせていると考えられるとの報告がありました。また同時に韓国との境界38度線付近には、通常兵器で 50~70kmの射程を持つ長射程火砲が数多く配備され、その射程内にはソウルがあるとのことで、一朝有事の際には、瞬時にしてソウルは火の海になるとも言われています。

このような状況の中で、日本の安全を考えてゆくためには、国際社会の協力を得て北朝鮮に対する説得を引き続き行っていくと同時に、米韓、特に北朝鮮に対する軍事的抑止力を持つ米国との緊密な連携をはかってゆかねばならないと思います。

そして、一刻も早く拉致問題や安全保障上の問題など日朝間の諸懸案を解決して北東アジアの平和と安全に資する形で国交正常化を実現してゆくことだと思います。

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