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地方議会PT提言

昨年末から党で「地方議会の課題に関するプロジェクトチーム」の座長として、会議を重ねてきました。
まずは現在の地方議会を取り巻く課題について、全国三議長会から意見聴取、また総務省からは過去の答申や研究報告書などの概要説明、さらに学識経験者ヒアリングなどを経て、メンバーで全体的に課題を討議し、「令和時代にふさわしい地方議会・議員のあり方についての提言」を取りまとめ党総務部会で了承を得ましたので、概要を紹介します。

提言全文はこちら

令和時代にふさわしい地方議会・議員のあり方についての提言

前文
 地方議会・議員の果たすべき責務は、従前に比して格段に重要度を増している。
1.地方分権時代を迎え、地方公共団体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した。
2.Society5.0時代を迎え、技術革新に伴う社会の大変化に対応していかねばならない。
3.本格化する人口減少社会の課題に、地方公共団体は地域の状況に応じて、早急に対応すべき責務を担っている。
 このことから、地方議会は意思決定機関であることを踏まえ、法的に従前のような曖昧な位置づけではなく、令和時代にふさわしい地方議会・議員としての位置づけを明確化すべきであるとし、こうした観点から政府、国会、地方議会・議員がそれぞれ取り組むべき事項を提言しました。

1.政府において
 地方自治制度の基本的事項など地方制度全般からの検討が必要なものについて、地方制度調査会において議論を行い、「令和時代にふさわしい地方議会・議員のあり方」を提示するよう求めるとして以下、具体的に指摘した。
(1)地方議会・議員の位置づけ
意思決定機関としての位置づけや議員の職務等について、令和5年統一地方選挙までに地方自治法で明確化すべきである。
(2)各団体の課題と特性に応じた柔軟な地方議会・議員のあり方
・全国共通の役割があることにも留意しつつ、大都市と小さな市町村では課題の現れ方が異なる観点から、その課題と特性に応じた議会像について検討を加えるべきである。
・その際には、諸外国の制度も参考に、実態に合わせた組織形態の多様化を図れるよう柔軟な対応を検討すべきである。
・加えて、団体ごとに議員像が異なるとすれば、組織形態に見合った議員の活動や処遇のあり方などを検討すべきである。
(3)立候補に伴う環境整備
立候補に伴う休暇保障の法制化について、労働法制との関係にも留意しながら検討すべきである。

2.国会・政党において
(1)立候補に伴う環境整備
請負禁止の範囲の明確化・緩和について、早急に検討すべきである。
(2)災害への対応
大規模災害の発生時等における招集日の変更を可能とすることについて、早急に検討すべきである。
(3)議会活動への支援体制の充実
意見書の活用について、早急に検討すべきである。
(4)以下の事項については、各党・会派の協議が整ったものについて、議員立法等により対応する。
・立候補に伴う環境整備
地方議員の厚生年金への加入については、厚生年金の適用拡大の状況も勘案しながら検討すべきである。
・選挙制度
*都道府県議会議員選挙において、市と市の合区が弾力的にできるようにとの議長会からの要望等について
*指定都市において、区域選出の道府県議会議員の数が多いとの指摘について
*市区町村議会議員選挙において、全域を一区としていることから、多数の候補者から選出することが有権者にとって難しいとの指摘について

3.全国議長会及び議会・議員において
(1)全国議長会を中心に、シンクタンク機能・議会図書館・研修・立候補者育成などの充実を図るべきである。国もこうした取り組みの支援を行うべきである。
(2)各議会・各政党において、若者や女性をはじめ多様な人材の立候補を促すための場作りなどを行うべきである。
(3)議会として、住民に向けて仕事の周知と理解促進のための活動を活性化すべきである。
(4)議員として、議会報告の充実、政務活動費の使途の明確化、視察の充実と結果報告、研修活動、日常活動の充実など住民から見える活動の活発化を図り、議員活動への理解と信頼を高めるよう努めるべきである。

以上のような提言を行い、4月13日に武田総務大臣に政府の対応について陳情し、14日には議員立法として対応するため党内での議論を始めました。
今後、政府、国会、全国議長会及び各議会・議員において、それぞれ指摘された課題について真摯に取り組み、法制化等を実現し、令和時代にふさわしい地方議会・議員像を作り上げていただきたいと思います。

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