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女系天皇は国民的議論を-区別すべき「女性」と「女系」- (2005年12月05日配信)

■■■  女系天皇は国民的議論を  ■■■
-区別すべき「女性」と「女系」- 

 先に小泉首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」は、皇位継承資格を女系や女性天皇に拡大することや第一子優先などとする報告書を小泉首相に提出し、政府はこれを受け、来年の通常国会に皇室典範改正案を提出する方針と報じられました。

 しかし、この問題は皇室の伝統の大転換につながるだけに、こんなに簡単に結論を出すべき問題ではなく、国民的議論を深め、方策をさぐるべき重大な問題だと思います。

 三笠宮寛仁さまは、会長を務める福祉団体の会報で、「世界に類を見ない我が国固有の歴史と伝統を平成の御世でいとも簡単に変更して良いのかどうかです。
 万世一系、一二五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代、神武天皇から連綿として一度の例外も無く、「男系」で今上陛下迄続いて来ているという厳然たる事実です。生物学的に言うと、高崎経済大学の八木秀次助教授の論文を借りれば、神武天皇のY染色体が継続して現在の皇室全員に繋がっているという事でもあります」(月刊WILL1月号より)と述べられています。

 二千年をこえる歴史を有する皇室の男系継承は、外国の王室にも例をみない、日本の誇るべき歴史・伝統です。そして、この歴史・伝統や正統性こそが、外国からも敬意を払われ、国民統合の象徴としての天皇の権威の源泉です。

 さて、今回の報告書で議論となるのは、女系天皇を容認するかどうかです。

 例えば、愛子さまが、天皇に即位される場合、皇室典範の改正を必要としますが、女性天皇ということになり、歴史上すでに8名の女性天皇がおられ問題ありませんが、愛子さまのお子様が即位される時に問題となります。愛子さまの配偶者が元皇族なら、お子様は「男系」となりますが、配偶者が元皇族以外の方ならば「女系」となります。すなわち、二千年をこえて歴代の天皇からつながる血統が失われることになり、皇室の伝統の大転換になるわけです。そして、歴史上これまで女系天皇は例がありません。

 それだけに慎重な議論が必要ですし、私はこの歴史・伝統は可能な限り維持するよう方策が講じられるべきであると思います。

 三笠宮寛仁さまは、先の会報で方策についても「皇室典範改正をして、曾て歴史上現実にあった幾つかの方法論をまず取り上げてみる事だと思います。順不同ですが、1. 臣籍降下された元皇族の皇籍復帰。2. 現在の女性皇族(内親王)に養子を元皇族(男系)から取る事が出来る様に定め、その方に皇位継承権を与える。(差し当り内廷皇族と直宮のみに留める)3. 元皇族に、廃絶になった宮家(例=秩父宮。高松宮)の祭祀を継承して戴き再興する。(将来の常陸宮家・三笠宮家もこの範疇に入る)以上の様な様々な方法論を駆使してみる事が先決だと思います。」と述べられています。

 また、第一子優先案も今後皇太子家や秋篠宮家に男子が誕生した時のことを考えれば、慎重な議論が必要です。

 まだまだ時間的余裕はあるだけに拙速はさけ、我が国固有の歴史と伝統の重みを十分認識しつつ、議論を深め国民の理解のもと、結論を見い出してゆくべきであると考えます。

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