変化への対応は喫緊の課題(2016年04月11日配信)

■■■   変化への対応は喫緊の課題   ■■■

 最近、衝撃を受けたことは、人工知能が囲碁のプロに勝ったことと、神奈川県の特区でのロボットタクシーの実証実験です。ものすごいスピードで変化しているように思います。
 さらに訪日外国人旅行者の目標が、2020年4000万人、2030年6000万人に倍増されました。世の中が大きな変革期を迎えていることの証左です。

●「2030年の日本」と文科委員会

 このような現実の大きな変化が今回、自ら文部科学委員会を希望した理由です。
 ここ数年検討してきた「2030年の日本」の中間報告で、人口、技術、環境、時空の四つの大きな変化が起こると指摘しました。その上で、
1.十数年後の社会に、我々の子どもや孫たちは従来の教育で対応していけるか
2.多言語翻訳機が普及する時代に語学教育はどう対応していくか
3.ウェアラブル端末(アップルウォッチなど)に入学試験、さらに教育制度はどう対応していくか
4.人工知能により49%の職種が失われると指摘される中どのような能力が必要か
などの課題を踏まえ、教育を真剣に見直さなければならない時と危機感を持った次第です。
 教育界は、生徒・保護者から教員、関係業界まで実に巨大かつ多様な組織ですが、一石を投じていくことが重要と考えます。

●構造変化と成長戦略

 さて、現在の消費動向についてです。消費税に関連してよく議論されますが、4つの構造変化が大きく影響していると考え、自民党の財政再建特命委員会で指摘しました。そして、これらへの対策こそが喫緊の課題であり、成長戦略になると考えます。

(1)日本は成熟期にあり、ほとんどの家庭にモノは溢れ、かつての三種の神器や3C(カー、クーラー、カラーテレビ)のような国民こぞって求める時代ではありません。
【対策】第四次産業革命といわれる新しい技術、すなわち人工知能やIoT、さらにIPS細胞や新素材などで今までにないものを作り出したり、観光などのように新しいサービスを生み出すことが必要です。そして、これらが新しい需要を生み出し、成長につながると考えます。

(2)高齢化、特に団塊の世代の退職による消費の低迷。現役のときほど購買力は旺盛でなく、同時に年金生活の不安から消費を抑制しています。
【対策】人生100年時代だけに、多くの人が健康な75歳ぐらいまでは、フルタイムでなくとも働ける仕事を準備することで、体力や健康の維持とともに、多少とはいえ年金以外の収入の分だけ余裕が生まれ消費に回ると考えます。

(3)人口減少、特に少子化。もっとも購買力の旺盛な若年層が少ないことは消費を一層低迷させています。
【対策】さまざまな少子化対策が必要です。また、建機最大手のコマツでは東京、関東圏、石川県で女性従業員の子ども数を比較すると、石川がもっとも多く、関東圏、東京の順とのことです。企業の地方移転は少子化対策に有効であり、同時に今話題の待機児童問題の解消にもつながります。

(4)非正規労働者の低賃金。実態調査によると年収300万円から400万円で婚姻率が一気に上がります。
【対策】非正規労働のままでは結婚できず、子どもが生まれず人口は減少し、国力が落ち内需も減少するため、さらに賃金が低下する負の循環に陥ることになります。若者が結婚を決断できる賃金体系にすることは、日本の将来を左右する最重要課題です。


 当面、以上の課題に取り組むことで、消費拡大に努めることが重要と考えます。そして、課題解決のためには、政府のみならず企業の役割も非常に大きいだけに、国民的取り組みが必要と思います。
 今後も大きな変革の時代に、将来を見据えてしっかり取り組んでいきます。