党広報本部長の一年
自民党の人事があり、一年間勤めてきた党広報本部長を辞しました。党七役に数えられる重要な役柄で、国会開会中は月曜日の夕刻から、そして閉会中は火曜日の午前に開催される総裁出席の役員会に出席するため毎週月曜日には上京し、さらに広報本部長の職務として直近に行われた各メディアの世論調査の結果を整理し、役員会後の役員連絡会で発表する日々でした。
●世論調査の実情
この中で発見した重要なことは、各社によって世論調査の方法が異なることです。とくに顕著な違いが出るのは毎日新聞です。事前に調査に応じると回答した方にアンケートを行うため、他社に比べて内閣支持率と自民党支持率が10ポイント以上低く、野党各党の支持率は1.5倍から2倍になっています。このため、内閣支持率と自民党支持率の合計が50を下回ると政権の危険水域という通称「青木理論」が、適合するのは毎日新聞だけという珍現象が生じていました。他社はこの結果に追随していません。
そして、もう一つの発見は、大手新聞社、各テレビ局、大手通信社が別々に毎月調査を行うため、ほとんど毎週どこかの世論調査が発表され、それがある程度の影響を及ぼすことです。世論の把握は重要ですが、果たしてこれほど頻繁に行う必要があるのか疑問に感じた次第です。
●党の刊行物や制作物
また、在任中には統一地方選挙があり、それに向けてポスターや政策冊子にも取り組みました。どうすれば有権者のご理解を得て支持をいただけるか、細部にわたって関係者と協議を重ね、時間をかけて作成しました。街角でご覧いただいた「地域の声で新たな日本へ」というポスターなどです。お陰様で統一地方選では無事大きなご支持をいただきました。
同時に、党の定期刊行物「自由民主」や「りぶる」などの改善にも取り組みました。
「自由民主」では、岸田総理の提唱する「新しい資本主義・デジタル田園国家構想」をご理解いただくために、「新しい資本主義の『扉』」の連載を開始し、Society5.0時代の革新的技術などを紹介し、新しい時代を実感いただける機会を設けました。
「りぶる」は自民党の動きを伝える月間の総合女性誌で、昭和57年発刊の歴史と伝統があるにもかかわらず認知度が低いため、関係者と議論を重ねリニューアルに取り組んでいます。40年以上も前から自民党が女性誌を発刊し女性局の活動などを支援している事実は、私も知りませんでしたが、女性重視の素晴らしい活動だと改めて感じたところです。
●新たな広報の在り方
一方、紙媒体では情報が届かない方々が、益々増えていることへの対応も必要です。事実、ほとんどネット上の活動だけで当選する方が、与野党問わず参議院比例代表で誕生しています。テレビ離れや新聞離れが指摘される中で、従来のマスメディアだけでは広報しきれない状況を踏まえて、党員はじめ国民の皆さん、とくに若い方々に自民党の主張や活動をご理解いただき支持をいただくには、どのように取り組むべきか模索し続けた一年でした。
この経験を活かし、Z世代に象徴される若者をはじめ国民の皆さんの生活スタイルの変化に対応した広報の在り方を、今後も考え続けてまいります。
なお、執筆時点では、私の今後の役柄の全容は決まっていませんので、次の機会にご報告します。
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