消費税率引き上げにあたって(2013年10月7日配信)
■■■ 消費税率引き上げにあたって ■■■
この夏は、連日マスコミを賑わしている消費税率引き上げにあたり、投資減税を中心とした経済対策が議論されましたが、10月1日の安倍総理の消費税増税表明に間に合わせるため議論を集約する必要があり、党税調の幹事として大変多忙でした。
●復興特別法人税について
さて、税調ではまず、民間投資活性化等の各種税制について議論されましたが、最大の検討課題は「復興特別法人税の1年前倒し廃止」の是非でした。
私自身も多くの議員同様、①復興途上での廃止 ②消費税増税の中での法人税減税 ③企業が本当に賃上げを行うのか、などの疑問点を会議で質しました。
しかしその後、会議での甘利大臣の説明、そして何より安倍総理が国際的に発言されている状況を受け、また短期間で結論を出さねばならないことから、以下のように自分なりに整理したところです。
1)消費税増税対策は、低所得者対策や住宅ローン対策、さらに価格転嫁対策などを講じている。
2)景気の腰折れを防ぐ対策は必要だが、円安などに伴う物価上昇対策とは異なる。物価対策となれば所得税減税だが、財政再建を考慮すれば現実的でない。
3)この景気対策はアベノミクスの一環として、
(1)賃上げによる景気好循環をつくる
(2)法人税減税の世界や市場へのアピール、が目標。
4)すべての企業の同時景気回復は非現実的なため、まず黒字企業にリーダー役を果たしてもらう。
5)法人税の実効税率引き下げは課税ベースの見直しなど時間を要するため、法人税減税のアピールには復興特別法人税の前倒し廃止しかない。
6)復興特別法人税廃止に伴う財源は確保し、復興に支障がないことを明確にして被災地をはじめ国民の皆さんの理解を得る。
7)個人にかかる復興特別税については、(1)今回の措置が物価上昇対策ではないこと (2)減税規模が大きく財政再建への影響が懸念されること、から実施できない。
8)企業による「賃上げ」「投資」の実施は企業の判断によるが、(1)政府あげてデフレ脱却と景気浮揚に取り組んでいること (2)日本にとって正念場であること (3)「集中投資促進期間」の3年間は賃上げ・投資を行ってもらいたいこと、などを経済界に強く要請し、デフレ脱却・景気浮揚は政治・経済共通の責任であることを広くアピールする必要がある。
以上の論点整理を行い、「復興財源の確保、被災地の方々の理解、賃金上昇の方策と見通し等を踏まえて、12月中に結論を得る」との取りまとめに賛成しました。
●副大臣人事の誤報
ところで先日の副大臣・政務官人事の際、一部マスコミで私の「法務副大臣」就任が報じられましたが、まったくの誤報です。
今回の人事でも派閥の影響を排除するため、当選5回以下の衆議院議員に自己申告書の提出が求められ、それに基づき人事が行われました。私は引き続いて党税調での仕事をし、さらに以前から主張する「2030年ごろの社会を想定して今から必要な対策」を党の国家戦略本部で検討したいと考えていることから、政府に入ることは希望しませんでした。副大臣として政府に入ると規定上、党内での仕事ができなくなるからです。
余程のことがない限り3年間、総選挙はないと思います。しかしこの3年間は日本にとって非常に重要な時期であり、時代の大きな変わり目にあたって将来を見越した対策をしっかり検討する時です。
誤りなき日本の将来を築くためしっかり頑張ります。
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