一年を振り返って(2019年10月7日配信)
9月11日の内閣改造に伴い、総務大臣を退任いたしました。約1年間、皆さんの支えで無事に職責を全うできたことを、心から感謝申し上げます。
年明け以来、まず通常国会ではご迷惑をおかけした統計問題と10本の法案への対応で6月はじめまで忙殺され、その後もG20の茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合や大阪サミット、そして参院選と続き、まさしく分刻みの日々でした。
一方、元号決定の閣僚会議や剣璽等承継の儀など令和新時代への門出に、政府の中心で関わられたことは大きな喜びであり誇りです。
今後もこれまでの経験を活かし、将来を見据えた課題にしっかり取り組んでまいります。皆様には変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
●総務大臣メール
さて、従来申し上げていたSociety5.0が、G20閣僚声明に明記されるとともに、来年度予算編成の方針である「骨太の方針2019」でサブタイトルとして「令和新時代、Society5.0への挑戦」と題され、まさしく政策のど真ん中に位置づけられました。
さらに大臣在任中「Society5.0時代の地方」をキーワードに、新しい時代の認識を共有するため、全国の知事・市町村長あてに「総務大臣メール」を5回発信しました。
人工知能やセンサー、ロボットなど先端技術は、行政事務・防災・教育・医療介護、そして農林水産業や建設業、さらにテレワークでの働き方などに大きな影響を及ぼします。各自治体がこれらを活用することで、行政の効率化や防災対策とともに、どこからでも世界とつながって仕事ができ、どこにいても生活支援サービスが受けられる持続可能な地域社会を築く一助となればと思います。
●新しい働き方
2025年の大阪万博では、同時翻訳機や空飛ぶ車がお目見えするなど、この流れはさらに進捗する見込みです。
そうした中で特筆すべきは、(株)沖ワークウエルの活動です。社員83名のうち障がい者が70名で、とくに重度肢体障がい者等52名が北海道から鹿児島まで19都道府県にまたがって在宅勤務し、自宅でネットを活用して就業しています。障がい者の皆さんにとって従来では考えられない大きな希望の光です。同時に、課題となっている介護離職や育児離職への対策に活用できないか検討しています。
こうした取り組みは業務の地方分散やテレワーク、サテライトオフィスなどを通して、東京一極集中の是正にもなります。東京一極集中は、直下型地震や富士山噴火など大災害リスクや今後急増する高齢者問題などが指摘されるとともに、就労者の通勤ストレスや劣悪な住環境、さらに低い出生率につながっています。大臣在任中には一刻も早い是正を図るべく経済団体にも働きかけました。放置すれば大惨事となることが明らかだけに、これからもしっかり訴えていきます。
なお、皆さんの関心が高いふるさと納税については、法律が成立し新しい制度が発足しました。新ルールの下で趣旨に添って健全に発展することを期待しています。
この4日から臨時国会が始まりました。大臣の経験を活かして、これからも精一杯がんばってまいります。
石田真敏メールマガジン
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