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食料自給率の話 (2005年5月30日配信)

■■■   食料自給率の話   ■■■ 世の中では、誤解されていることがままありますが、そのうちの一つが食料自給率の話だと思います。 本年四月からの実施に向け、食料・農業・農村基本法の基本計画見直し作業が昨年から熱心に議論されましたが、その中の特に重要な論点の一つが、食料自給率でした。日本の農業生産・食料消費に関する指針として重要だからです。 ところで、日本の食料自給率といえば、ほとんどの国民が認識しているのは40%という数字ですが、その意味が正しく理解されているとはいえません。日本では必要な食料の40%しか生産できていないと思っている人が多いようです。 この40%の意味は、カロリーを基準にした食料自給率の計算方法で、国民1人1日あたり供給カロリー(約2,600kcal)のうち、国産品で供給されるカロリー(1,049kcal)の割合が40%であることを意味しています。 そして、この数字は、国民の食生活の変化に大きく影響されます。例えば自給率70%であった昭和40年当時、一人一年あたりコメの消費量 は112kgでしたが、今は62kg、また肉の消費量は約7kgでしたが、今は約28kgです。つまり、国内で自給可能なコメの消費量 が減少し、その分、肉や油脂の消費量が増加しているのです。そして、その畜産物の生産に必要な飼料穀物や油糧原料の大豆・なたね等の多くを海外に依存しているために食料自給率が低下することになります。 あえていえば、現在の自給率は食生活の変化と共に低下してきた飽食の時代の自給率といえます。 ちなみに、海外からの輸入がとだえる不測の事態が発生した場合、国内生産のみで自給するには、一人一年あたり消費量 でコメ62kg→約70kg、イモ類20kg→約180kg、乳製品93kg→12kg、肉類28kg→3kg、油脂類15kg→1kgなどの食生活の変化が必要になります。 言葉を変えれば、不測時でも国民が必要とする最低限度の熱量供給は可能ということですが、現在の食生活とのギャップは非常に大きく、この差を埋めるためには自給率向上に不断の努力をしてゆかなければならないということです。 また現在の地球温暖化による食料生産事情の変化、さらに中国はじめBRICsに象徴される新興国の発展に伴う食生活改善による食料不足などを考えると食料事情はより厳しくなると思われます。 そこで取り組むべき課題の一つは、国内食料生産を確保するための農業後継者と優良農地の確保であり、消費者ニーズに対応した生産を推進することです。 そのための施策が、今回の基本計画で見直されたところですが、このことの最重性についての国民の理解と支持が何より大切です。 またもう一つは、国内で自給可能なコメなどの国産農産物の消費拡大と、飽食の時代の食生活から栄養バランスのとれた日本型食生活への改善を促すため、食についての理解を深める食育運動の積極的な展開が必要です。 これらを通じて、ほんとうの意味での自給率改善に努めてゆかねばなりません。

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