自治体間格差と早急に検討すべき課題 (2007年5月7日配信)
■■■  自治体間格差と早急に検討すべき課題  ■■■  格差議論が盛んであるが、ここでは自治体間格差と対応策について論じる。  都市再生と共に東京と地方の税収格差が拡大し、東京では過剰な住民サービスが企画される一方、地方では現状維持すら難しい深刻な地域間格差が起こりつつある。これは地方経済が低迷する一方、東京では法人事業税と法人住民税を合せた法人2税が、前年度比約20%増の2兆4千億円余りにもなるなど史上最高の税収を見込めるからである。  この税収格差の原因は、  (1)税制上の問題点  東京都はGDPで全国の約18%にすぎないが、法人税では46%を占め、また人口では約10%だが、所得税では約40%を占めている。  一方、私の故郷和歌山はGDPで0.67%だが、法人税が0.28%。人口で0.80%だが、所得税が0.38%である。すなわち、東京が実力以上に税金を集め、地方は実力通りの税金を得られない税制になっている。  (2)インフラ整備の東京集中  国土交通省関連のインフラ整備は言うに及ばず、大学や研究所さらに国立劇場等の文化施設や、キー局などの放送関連や通 信などのインフラ、そして各種業界団体まで、堺屋太一氏の指摘のように、戦時中政治・経済・文化等の機能を東京に集中した「昭和16年体制」が今日まで続き、この間も巨大な投資が集中的に続けられてきた産物が現在の東京の姿であり、いまなお羽田の沖合展開や神田川地下の巨大貯水槽、さらに国立新美術館などの投資が続けられている。  その結果、東京では首長が特段の企業誘致に努めなくても多数の企業、特に本社が立地し、地方では企業誘致に100社もの企業を訪問しても成果 が上がらない状況である。これは地方の努力不足でも何でもない。社会資本が一貫して東京に集中されてきた結果 である。  (3)地方交付税の減額  三位一体改革では、4兆円の補助金削減と3兆円の税源移譲がなされ、さらに5兆円の交付税削減がなされた。  この結果、交付団体では大きな影響を受け、社会保障費が増えるなか投資的事業の圧縮や人件費抑制がなされ、非常に厳しい財政運営が行われている。一方で東京都などの不交付団体は、地方交付税の減額による影響を受けないため、交付団体と不交付団体との格差は、一段と開いている。さらにこのことは、公共事業等の地元負担金の支出にも影響し、公共事業が財政力の高い大都市へ集中する可能性も指摘されている。 (早急に検討すべき課題)  地域間格差の固定、拡大の放置は、国家の崩壊につながる最重要課題である。小泉改革によって都市が再生されたいま、次は地方再生に積極的かつ早急に取り組むべきである。  (1)税の偏在  人口1人当たり地方税収額の格差は、法人2税が6.5倍、個人住民税が3.3倍、固定資産税が2.4倍、そして偏在が最も少ない地方消費税でも2倍である。  自治体間の税収格差を是正するために、特に偏在性の高い法人2税を中心に、偏在性の少ない地方消費税等を含めた税制の検討が必要である。  (2)地方交付税等の減額による財源不足  交付団体は、5兆円の交付税削減により大きな影響を受け、補助金改革と税源移譲に伴う減収と共に、非常に厳しい財政運営を行っている。  地方自治体の行革努力は当然としても、財政調整機能と財源保障機能を担う地方交付税が、その機能を発揮できているか検討すべきである。  (3)補助率のあり方  公共事業費に係る補助率は、例えば道路では通則は50%補助で、財政豊かな東京都でも50%の補助がなされる一方、沖縄や離島では法律で高い補助率が定められている。また、財政力の弱い地域でも昭和36年に法律で特例が定められ、和歌山県では平成19年度は58.5%の補助である。  しかし、前述のように、財源不足が公共事業等の地元負担金の支出に影響し、公共事業が財政力の高い大都市へ集中するとの指摘を考慮すると、補助率について引き下げ、引き上げの検討が必要である。  (4)道路特定財源  陳情で最も多いのは道路である。それは地方にとって道路が、救命救急にも、農林水産物を都会に運ぶ物流にも、多勢の方に来ていただく観光にも、そして企業誘致にも欠かせないからである。平成20年度の法改正に向け、検討すべき課題を指摘したい。  1. 地方公共団体工事費負担金  道路整備特別会計をみると、歳入に地方公共団体工事費負担金として約6千億円もの収入がある。これは国直轄事業の地元負担金で、新設のみならず維持管理費も含み、地方自治体の大きな負担となっている。  廃止または軽減を検討すべきである。  2. 地方道路整備臨時交付金制度  この交付金には、揮発油税の25%相当額が当てられ地域の身近な課題に対応しているが、予算査定のシーリング枠外である。 地方における実情に鑑み、充当率を高め事業の拡充をはかるべく検討すべきである。

*石田真敏ブログ
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